ヴィトゲンシュタインという人をご存じだろうか。
彼は戸塚ヨットスクールほどではないが教師としてきわめて厳格であり、覚えの悪い生徒への体罰をしばしば行なっていた。
そのため保護者たちは、ヴィトゲンシュタインに対する不信感を強めてゆくこととなった。
ただし、このような一面もあったことを強調したい。
生徒の女の子が何度も綴りを誤ってノートに記入した時の話である。
ウィトゲンシュタインはいつものように体罰を加え、さらに字を誤った理由を女の子に問いただした。
だが、その女の子は、黙ったまま何も答えなかった。
今でいう場面緘黙【病気】だったわけではない。
ヴィトゲンシュタインが「病気か」と尋ねると、女の子は「はい」と嘘をついた。
しかし、彼は、その嘘に気付くことができず、その女の子に涙を流して許しを請いたという。
これを知ったとき、私は色々なことを感じた。
続きは入塾者にお話ししましょう。