某国立医学部に入られた方の例(お許しをいただいております)
皆さんおはようございます。
某国立医学部に入られた方の例(お許しをいただいております)を載せさせていただきます。
当校で学ばず他塾で学び医学部に合格された方々は、医学部に入学されてからITO ACADEMYのリメディアル教育でお世話させていただくことになる場合が多いです。
リメディアル教育が必要とされる方々が国立の医学部生においても、最近は増えてきています。
さてここからです。
学生様のご意見の始まりです。
反省と自己分析
~留年という結果を受けて~
私が今回落としてしまった単位は三つあり、それぞれについてまず考えたいと思います。
<どうして落ちたのか>
全般的に言えること
・生活習慣が夜型になり、日中の集中度が落ちて授業に集中できなかった。
→個人的にこれが一番大きな要因だと思います。
・必要な勉強量や勉強の仕方をつかむことが出来なかった。
→あまり重要でないところに時間をかけすぎたり、範囲全部に手が回らず焦って頭に入らなくなる。
・アウトプットが足りなかった。試験範囲を一周して、理解したような気になる、解けるような気になるが、試験で正確に再現できない
→高校の時は問題集などを繰り返して、定着度をセルフチェックできていたが、大学では問題集などなく、自分でレジュメなどを読んで頭の中で組み立てて、記述しなければならない。そのようにして作った解答案を繰り返しアウトプットして、書けるようにすることが足りなかった。
科目ごと
●生化学:
・二年前期(生化学A)で、科目の勉強にどう取り組めばいいかわからないまま、試験に失敗して、苦手意識を持ってしまった。
遠因は、一年生の化学の勉強が足りていなかったことにもあると思う。
勉強するときに精神的に取り組みにくかった。
→これは、生化学では一年生の時に学んだ知識も使うから。
一年生の範囲で差がついていて、人より理解力がなく、ほかの人がたやすくわかることも、自分はその都度勉強し直さなければ先に進めない…という思いがあり、勉強しながらも、常に人より遅れていっている感覚だった。
その遅れを取り戻している時間は二年後期にはない、という思いもあった。
→やろうとして焦るが、焦るほどはかどらない・身につかない。
一年生の時に、試験直前に勉強するやりかたを取り過ぎていた。
一年生の時にぎりぎり6割をとればよいという意識に染まってしまった。
※二年生のことを考えると、一年生の内容は余裕をもって8割くらいとる(理解が出来た状態で)ことが必要だと、今は思う。
・そもそもの勉強時間も足りていなかった。苦手に思っているため取り組み始めも遅くなってしまった。
→始めた時にはもう他の人より遅れていて、「これでは試験に間に合わない。」という気持ちになり、焦って理解しながら進む余裕がなくなって単純暗記に走ろうとする
→単純暗記で覚えるには無理があるため、勉強が続かず、途中で投げ出してしまう(勉強場所を変えるなど)
気持ちを落ち着けて、焦り過ぎず内容自体に集中していれば、そこまで、問題なく試験範囲の全部とは言わないがある程度のところまでは進んだと思う。
焦り過ぎると、今やっているところをきっちり抑えるのか、全体をサッと目を通すのか、
という勉強方針がすっかりぶれてしまって、結局しっかりものにできた範囲もないまま試験を迎えてしまう、という状況になった。
これも、一年次から継続的に授業を聞くことで、大まかに内容をつかめていればもっと楽に、内容の習得に集中できたと思います。
●解剖学Ⅰ:
・実習に並行して知識、理解を深めることが出来ず、予習作業と、実習での剖出作業に追われてしまった。結果、試験直前には覚えるべき英単語が大量に残り、構造理解などを復習する時間を作れなかった。
・班で協力して勉強しよう、知識・理解を共有しようという意識が足りなかった。
→その点、隣の班などは実習中に前回の範囲を問題にして出す班員がいたり、英語で共有したり(短期留学生の受け入れもしたため)、実習中に理解したり覚えようという意識が高かった。
●生理学Ⅰ:
・試験日程がタイトで、生化学実習ノートの作成にも時間がとられ、勉強が十分にできなかった。範囲が広く、体調的にもきつかった。
・担当の先生が「できるだけ自分の科目で留年生を出したくない、通してあげたい」とおっしゃっており、過去の試験の問題を見ても、比較的頻出の問題は重複していたので、他教科にくらべれば対策しやすいだろうという見通しだった。
しかし、そうはいっても範囲は多く、勉強しながら見通しの甘さに気づき、試験に間に合う見通しが立たず、勉強をしながらも半ば諦めてしまいそうになり、身が入らなかった。
試験の出題傾向も、余ら過去問と被らず、過去問対策が活かせなかった。
また、個人的なことですが、留年に関係する重要な要因として入学までと入学後の状況の変化についても書かせていただきます。
私は中・高で塾に通っていました。大学に入るまではあまり認識がなかったのですが、
高校までの成功要因としては、
・学校や塾の定期的なサポート体制(宿題を課す、授業中の問題演習、定期的に行われるテストとそのフィードバック<成績状況/学年での順位>)に助けられてきた
・教師と生徒の距離も比較的近いため、応援されたり発破をかけられたりしながらモチベーションを維持することができた
・家庭状況から、浪人して予備校に通うという選択肢がなかったため、「遊びや不必要な余暇はとらない」と完全に割り切って学業に取り組んでいた
・上記の理由で、受験勉強のために部活動を一年で諦めたため、残った同級生部員への義理や、顧問の先生への負けられない思いで勉強していた
・高校まではスマートフォンなどを持っておらず、インターネットやSNSに全く時間をとられていなかった
・通学が電車であったため、その時間を使って読書をしており、これが勉強への取り組み・成長のための刺激、自律・自制のためのモチベーションになっていた。
→スマホも持たず、家ではテレビも見なかったため、昔から読書が趣味だった。小学校までは小説など、中・高では自己啓発書や古典、健康などに関する本を多く読んでいた。
・通っていた塾が、高校2年生での成績の伸びを評価してくれて、高校3年生で特待生として優遇してくれ、義理も感じて勉強の励みになった。
一方、大学に入ってからは、
・スマートフォンを持つようになる
→LINEでのやり取りやTwitter等のSNSで時間を使うようになり、一年次で生活習慣が乱れてしまう
・試験の成績があまり手元に帰ってこず、学年内での順位なども未発表となる。
→指標は合格/不合格のみとなり、自分の危険度に十分実感がわかなかった(これは自分の危機感が足りなかったことも原因)
・高校までとは学ぶことのレベルが変わる。求められる知識・回答のレベルも変わる
→これは、先生方もよくおっしゃっているように、
・高校までは答えを覚えれば、対応できるものが多かったが、
大学ではさらに理解したうえで、背景にいろいろな知識を持ったうえで回答を作らなければいけないということを強く感じ、特に私が苦戦したところだった
→前述のように家庭状況などから受験にかけられる時間の制約があったので、高校での勉強の際に、
理解に時間ばかりかかってしまうことを恐れ、とにかく覚えて試験で点数を取らなければ、早く範囲を何周もして頭に叩き込まなければ、という意識で勉強をしていました。
なのでじっくり読み込んで理解をし、理論的に自分で組み立てる・自分の言葉で説明するという勉強スタイルを受験期間にあまり作ることが出来なかった。
<!>数学・物理なども解法暗記を使ってゴリ押しでやっていたが、そのようにして勉強した知識は結局大学に入った後はほんとにすっかり忘れて、使い物にならなかったです。僕の大学ではそこまで必要なく低学年は乗り切ることが出来たんですが、やはり生化学では、高校の基礎的内容も前提として進むので、もうちょっと大学でも使えるように理解して勉強すればよかったと思います。ちなみに僕は推薦で入学し、学力は他の推薦生や一般入試製より多少劣っていました。
やっぱり、今大学受験を目指している高校生には、ある程度理屈を理解して勉強することをお勧めします。(僕のいう「解法暗記」とは、和田秀樹先生の著書の中で用いられているものを指します。)
・部活費用を捻出するためにアルバイトにも時間がとられる
→社会勉強のため、と飲食関連のバイトをしており、この業界は大概22時以降に時給が上がるため、少ない時間で稼ぎを得るために12時までアルバイトで入ることが多く、学業に支障が出た。
・大学の自習室が埋まりがち/混みがちで勉強場所の確保に苦労
・大学が実家に近いため通学時間が短くなり、本を読まなくなった。
などがありました。
制約や、モチベーションとなる要因が多く、うまく大人(塾など)にサポートしてもらっていた高校までと比べ、バイトなどの時間をとられる用事が増え、急に自由度も増したことで生活が不規則になり自己管理・体調管理がしきれなくなりました。
また、本を読まなくなったことも問題意識やモチベーションの低下の原因だと思います。
しかしやはり、生活習慣が夜型になったことで日中の生産性が下がり、授業を活かせなかったことが、ついていけなくなったことが自分にとって一番の問題だったと思います。
以上です。ご協力ありがとうございました。国立医学部に入学すればいい、それがゴールという方は【自己認識が甘い】と思っていただきたいですね。
伊藤琢哉がいつも言っていることを今の塾生たち、聞き逃すなよ。