『君主論』を読むと、なるほどとうなずけるのは君主の条件の一つとして、征服者が現地に赴いて移り住むことを挙げているんですね。

そこを読んでパット連想したことは、公害問題のことです。

つまり社長という人種は、公害を引き起こした現地の工場があるところに住んでいない場合があるんですよ。

水俣のようにね。

あるいは四日市のようにね。

そうすると、最低でもそこに住んでいれば、もっと早くわかるわけですよね。

生産と生活が分離しているからそうなるんですが、このマキアヴエリでさえも、征服者は現地に赴けと言っているのかと思いましたね。それはある種の威厳を示すためだということと、もう一つは泥を被るという話ですけれども。

 

結局、為政者が現地に住むことの意味は、支配者なら支配者の人格がものをいうということだろうね。

どんな顔で、どんなしゃべり方で、どんな歩き方をするかも含めて、為政者を信頼するかどうか為政者を受け入れるかどうかは、最終的にはその人格的なところにきてしまうのだということです。

 

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