日本に存在する、たった三つの超一流総合私大は何か?それは早慶上智だと思う。
これらの三つの大学全てに合格した場合、早慶のうち、一番偏差値の高い学部を選ぶのが、受験生の「スタンダード」だと思う。
しかし、はたして、本当にそれが正解だろうか?
少人数教育と、語学教育の質を考えれば、早稲田や慶應よりも、上智を選択するということだって、あってもいい。
私が提供したいのは、早慶上智受験生に、「後悔のない選択」をしてもらうための情報の提供である。
たとえば、早稲田の商学部と、慶應の総合政策、上智の外国語学部英語学科に合格した受験生を考えてみよう。
ネームバリューからいえば、早稲田の商学部に進学するのが「筋」であろう。しかし、将来、起業したい受験生にとっては、慶應の総合政策、語学のスペシャリストを目指したい人ならば、
上智を勧めたい。重要なことは、将来、自分が何になりたくて、そのために最善の選択は何か
ということなのである。
早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学を称して、「早慶上智(そうけいじょうち)」と呼ばれている。
それほど、三者の偏差値が拮抗しているわけだが、私立の両雄である早慶にくらべ、上智大学は、今一歩、遅れをとっているといわざるを得ない。
それは、上場企業の役員・社長数や、司法試験合格率などに如実にあらわれてくるのだが、まずは、そのことは、おいておき、上智がなぜ、早慶に肩をならべるほど、伸びてきたのかが、本書の最大の関心である。
早慶上智の呼称は、はじめは、代々木ゼミナールを中心とした、予備校業界で始まった。
早慶に上智を加えると、難関大学合格者数が「水増し」されて、多くみせかけられるという単純な理由からだった。
もちろん、上智の偏差値が急伸せず、早慶に肩をならべていなかったら、この呼称は定着していなかったと思われるが、当時を知る予備校関係者は証言する。
「あのころは、なんで上智ごときが、というやっかみもたくさんありました。でも、予備校としては、人文系学部を中心に、上智の偏差値が早慶と拮抗していることや、合格者数を多くみせかけるために、そういう決断をせざるを得ませんでした」。
●人文系●
慶応義塾大学人文社会・・・・66
と、三者の偏差値は拮抗している。
上智は、「女の園」である。
女子高校生は、「ダサい」早稲田、「ボンボンの」慶応を避けて、上智を第一志望にする傾向がある。
それは、優秀な男子学生をなかなかとれないということである。
男子学生の多くあつまる、法学部、経済学部、理工学部の学生は、ほぼ全員、「早慶落ち」である。
そこに、早慶上智という、呼称もあいまって、複雑なコンプレックスを描き出す。
「僕は、早稲田の商学部を第一志望にしていました。でも、おちてしまって・・・。それで上智に来たんです。早慶上智という言葉もあるし、早稲田に落ちたのは運が悪かっただけなのかなと思うようにしています」。
●法学系●
数字だけみれば、近接しているようにも思えるけれども、「偏差値1の差」以上に、上智と早慶の法学部の学生の意識の差は、大きい。たとえば、東大は1万人が受験して、3千人が合格する。
同じように、早慶の法学部の不合格者が上智の法学部に入学する。
だから、見かけの偏差値以上に、両者の実力差は大きい。
それが、司法試験の合格率に現われてくるのだ。
次に、経済系を見てみよう
●経済系●
経済系は、卒業生が大手企業に入社し、数十年後、役員・社長を輩出するメインの学部である。
偏差値がうんぬん以上に、「俺は役員になりたい」とか、社長を目指すとか、そういう意識がないと、難しい。
最後に、理工系をみてみよう。
●理工系●
これは、女子高生の多くが、人文系学部を志し、理工学部の受験生のほとんどが男子高校生であることから生じる差だと思う。
上智大学が、もともとは、男子校だったことを知る人は少ない。もともと、上智大学の設立母体であるイエズス会は、男女共学という発想はなく、昔の上智大学は、「女子禁制」の、男の園であった。
ところが、上智大学は、1957年、短期大学の女子学生の編入を認め、翌年、正式に男女共学に乗り出す。
そのころから、徐々に偏差値が上昇しだし、1980年代には、早慶に肩を並べるか、完全に凌駕するまでになっている。
上智大学の偏差値上昇の背景に、女子受験生のすさまじい人気があることは否定しがたい。
事実、桜蔭、女子学院などの、女子受験生は、「東大がだめなら、早慶ではなくて上智」だといわれているという。
女子学院の進路指導担当者は、匿名で証言する。
「当校で、東大を狙えるけれども、惜しくもおちてしまった生徒は、早慶ではなく上智に進学する傾向がありますね。早稲田は、ダサくて、結婚に不利にはたらく傾向があるし、慶応はボンボンで、価値観が合わない。そういう傾向はあると思いますね」。
1970年代、上昇する偏差値に対して、就職実績が伴わないという現象がおきてきた。
そこで、当時のヨゼフ・ピタウ学長は、池貝鉄工の人事部に勤めていた、OBの千葉俊男氏をスカウトし、就職指導部長に抜擢した。
千葉氏は、企業の採用のコツを知り尽くしており、的確なアドバイスで学生を指導、大手優良企業に次々と卒業生を送り込んでいった。
大学の評価は、入り口である「偏差値」と、出口である「就職実績」で決まる。
ただ、悩みがないわけではない。
「上智卒は、出世できない」とよく言われるが、事実、上場企業の役員ランキングでは、
一位・慶應義塾大学・・・2278人
二位・早稲田大学・・・・1989人
に対し、
上智大学は、29位・・・163人に過ぎない。
三大学の卒業生数の差を考慮しても、上智出身の役員は少なすぎる。言い換えれば、上智は優良企業に就職できても、課長くらいにまではなれるが、役員や社長にはなれそうもない、ということになる。
もちろん、こういうことは、画一的な価値観で語れるほど簡単なことではないし、役員に昇格して、重い責任を負いたくないという心理も理解できる。
大企業の役員になれば、銀行の借り入れに対して、自宅を担保に差し出すのが通例である。
ただ、そういう面を考慮しても、上智出身の上場企業役員数は少なすぎることは否めない事実であると断言できる。
十年ほど前、「間違いだらけの大学選び」という本で、上智大学を評して、「最近の難易度は高くなったが、実力はそんなにたかくない」という記述があった。
卒業生が企業に入社して、数十年たたなければ、企業の役員数に影響を及ぼさないことを考えても、上智大学は、早慶に並んで、もう40年近くたつことを考慮すれば、上智出身の役員は少なすぎる。それには、上智が「女性上位」の大学であるという背景と無関係ではないだろう。
女性の多くは、大企業に入社しても、10年未満で結婚相手をみつけ、家庭に入る。
それだけでなく、早慶と比べて圧倒的に卒業生数がすくないという事情もある。
早稲田が一学年1万人、慶応が5000人に対して、上智大学は一学年2500人である。
私は、上智は「私立の一橋大学を目指せ」と思って、エールを送っている。
一橋大学は、一学年1000名あまりながら、上場企業の役員数で、8位・・・598名もの人材を輩出している。
企業で役員にまで昇進するのは、圧倒的に男性が多い。
上智の一学年の生徒数は2500人。その半数の1200名あまりが男性である。
偶然、一橋大学の学生数と一致する。
かの有名な「大学図鑑」に、上智大学は「女東大」とマスコミに呼ばれていた時期があると書いてあったが、卒業生の印象としては、男子学生も優秀だが、それ以上に女子学生がまぶしく光り輝いているという感じを受けている。
ミスター・早稲田に、拍手喝采するひとはいても、「ミス・早稲田」に羨望の念を抱く人はいない。
逆に、数多くのアナウンサーやタレントを輩出してきた、「ミス・ソフィア」にあこがれる人はいても、ひそかに、同時期に行われている「ミスター・ソフィア」に注目するマスコミもまったくない。
上智は英語に超がつくほど難しく、国語も予備校ごとに解答がわかれるなど、判別の難しい問題が多い。
一方で、上智の社会は、基本問題だらけである。
逆に、早稲田は、国語と社会が難しく、英語が比較的易しい。
数字の根拠を示すことは避けるが、たとえば、上智の経営学科と早稲田の商学部を併願した場合、上智に受かって早稲田に落ちた人と、早稲田に受かって上智に落ちた人の人数は拮抗していると推測されるだろう。
早慶上智という言葉は、上智大学の学生および関係者をもっとも喜ばせることばである。
「早慶上智っていわれると、はっきり言って照れちゃって、舞い上がっちゃうよね。なにせ、相手は天下の早慶だもの。自分に自信がつきます」。
逆に、早慶大の学生は、早慶上智ということばに、露骨な嫌悪感を感じて、隠さない。
「早稲田が上智と同格なわけないだろうが、ボケ! 早稲田は多数の首相や閣僚を出すだけでなく、芥川賞や直木賞でもトップの実績をのこしている。それに、スポーツだって強い。早稲田や慶応と、上智が同格なはずはない。はっきり言って、非常に大きな不快感を感じるね」(早稲田大学政治経済学部OB)
慶応の学生も同様のコメントを残している。
「上智が唯一早慶とタメをはれるのは、受験のときの偏差値だけ。それ以外には何の実績もなし。慶応が上智と同格なはずはない」(慶応大学経済学部2年)
ここに早慶対上智の構図ができたわけだが、いったん社会に定着してしまった早慶上智ということばは、独り歩きを始め、次々と巨大なモンスターを生み出していく。
その典型的な例が、いまやほとんどの大学受験生が読んでいるといわれ、数十万部の売上げを誇る「大学図鑑」だ。
この本では、露骨に早稲田、慶応、上智を私立の「超難関大学」に区分けし、早慶上智それぞれの学部ごとに「ポジション・マップ」を書き、偏差値順に「エライ・エラクナイ」などと格付けをしている。
たとえば、上智の外国語学部は、早稲田の政経や法、慶応の経済や法と同格とされている。
東大生ですら、文3の受験生は、早稲田の政経や慶応の法には落ちることがめずらしくないくらい難易度が高いのに、早慶と上智がまったく同格とされてしまっている。
そのほかには、上智の法が、慶応の法や早稲田の政経よりやや格下とされ、早稲田の商学部や文学部、慶応の商学部や文学部と上智の経済、上智の文が同格とされている。
これらは、明らかに上智の思い上がりであり、社会的制裁を受けてもおかしくないレベルである。
現に、この本を受験生の娘から見せてもらった、最高裁判所判事の早稲田法学部OBは、
「こんなクソ本書いた奴の気が知れねえ。上智関係の犯罪者がいたら全員死刑にしてやる」とつぶやいたという。
結婚という観点からも考えてみよう。
まず、女性で結婚に圧倒的に有利になるのが上智大学である。有名大企業の社長の御曹司をゲットできる可能性も高い。
逆に、結婚に致命的な悪影響を与えるのが「早稲田卒の女性」である。
これは数字がはっきりと証拠を示している。
早稲田卒の女性で結婚適齢期にある女性100人にアンケートしたところ、未婚率は、なんと78%にもあがった。
「女性は早稲田には進学しないように、一生独身の悲しい人生が待っています」とは、元ゼクシイ編集部員匿名希望の弁。
両者の中間が、慶應義塾大学である。
慶應義塾大学の女性は、きれいで知的で家事もできて、育児も上手との評判である。
一方、男性で結婚に圧倒的に有利なのが早稲田、慶応両校である。
前述の上場企業役員数ランキングでも上位にあり、仕事ができて、男らしくて、出世も早いということから、全国の女性の憧れの的となっている。
一方、上智大学の男性は、若干結婚に不利である。
あくまでも早慶と比較した上での話であるが、役員にまで上り詰める人が少ないなどの理由で、早慶より若干不利である。
上智には、そうした不利をおぎなって余りある利点がある。
それは、「語学力」である。
上智の後輩に聞いた話なので、話半分に聞いて欲しいのだが、語学を優先的に学ぶ学部でない、経済学部や法学部、理工学部などの学生ですら、企業では、語学のスペシャリストとして期待されている面が少なくないという。
たとえば、上智大学経済学部経営学科を昨年卒業し、三菱商事に入社した社員は次のように証言する。
「入社一日目に、海外から英語の電話がかかってきたんです。上司に相談すると、『このことを穏便に英語で相手に伝えてくれ』といわれ、唖然としました。私は外国語学部英語学科卒ではなく、経済学部卒なので、英語は、あまりできないのですが、会社が上智
卒業生に求めているものがなんなのか理解でき、英語の専門学校に通っています」。
まず、早慶上智は、東大受験生の併願先だという、厳然たる事実が存在する。
特に、早稲田の政経と法、慶応の経済と法は、東大文系受験生の確たる併願先であり、
私立文系志望者は、東大受験生の学力と戦わなければならないということを肝に銘じておかなければならない。
そうしたことを勘案した上で、ランキングを作成すると、
東大文系→京大文系→早稲田政経・法、慶応経済・法→東北大、大阪大、名古屋大文系→早稲田商、慶応商、上智経済→北海道大、九州大→早稲田文、慶応文、上智外国語、文→その他の国立大学
であると、結論付けることができる。
上智大学の偏差値急上昇は、田中康夫氏の「なんとなくクリスタル」の爆発的なヒットで確定的なものとなる。
もちろん、早稲田も慶応も、この小説の中で取り上げられ、特に慶応にいたっては、
「名前を聞けば女の子たちがキャーっといいそうな私大のヨット部に入っている彼らは」などと遠まわしに表現され、注釈で、「当然、港区にある大学」と解説され、暗に慶応義塾大学のヨット部であることをほのめかしている。
この小説が画期的だったところは、当時の女子大学生の価値観を的確に、かつ巧妙に表現している点にある。
たとえば、
「野菜や肉を買うなら、青山の紀ノ国屋がいいし、魚だったら広尾の明治屋か、少し遠くても築地まで行ってしまう。パンなら散歩がてらに、代官山のシェ・リュイまで買いに行く。ケーキは六本木のルコントか、銀座のエルドールで買ってみる」
などと、当時のファッションセンス抜群の東京の女子大生の生活を描き、全国の女子高校生に、 慶応や上智、青山学院、立教などのファッショナブルな大学生活を想起させ、上智大学の偏差値急上昇の一因となっているのである。
とりわけ、「市ケ谷にある女子校」として紹介されている、聖心、清泉などの大学附属高校の女子生徒には、上智大学は絶大な人気があった。
少し古い資料になるが、1994年発行の、「間違いだらけの学校選び(大学編)」(古賀たまき著)から、東京大学、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学に関する記述を全文引用してみよう。
まずは、東京大学から。
●東京大学●
「概説」日本一の大学。とにかく、「東大生だからって大したことはない」「東大生だからって優秀とは限らない」などという人に限って、大したことがない人が多いと思われる。というより、そういう人の一部でその自覚がないから、そういう発想が出てくるのでしょう。
「難易度」77 日本一。二次負担大であり、みかけよりずっと高いと思ったほうがいい。水準の低い地方で優秀といわれたからといって、もしかしたら東大が、などと甘く考えすぎないようにしましょう。そういった地域で偏差値70の優等生などといわれた人が、全国的には大してよくもなく、明治立教水準にやっとはいれるかどうかという人も多い。
「実績」日本一。高校時代に使った日本史教科書にこうあった。「政府の必要とする官吏・技術者の養成、およびもっとも充実した学術研究機関として大きな役割を演じた」
「実力」正当な分野のほとんどで日本一。
「学部」入学時は学部未確定だが、文1は法学部、文2は経済学部、理3は医学部と、ほぼ決まっている。ということは、文3・理1・理2の学生が、進路振り分けのためにあくせくすることになるはず。彼らのなかには次のように思っている人もいるかもしれない。「文1・文2・理3生はいいな。進学先がほぼ決まっていて。我々は第一志望めざし必死の努力をしているのに。でも理3は理系で授業など厳しいし、文1生は司法・公務員を目指して学業に励む人も多い。文2生はどうだ。彼らの多くは企業に入るはず。つまりなにもしなくていいのではないか。駒場ではしっかり学ぶのだろうが」
「経済界」日本一ではあるものの、その強さは官界ほど圧倒的ではないことは、この世界を目指す東大生はよく心得ておいてくださいと申し上げたい。
東大といえば官僚。最近十年くらいをみても財務、外務、経済産業の御三家はもちろん、国土交通、農林水産、総務、などが多い。意外にも?警察庁も多い。出世が早いからでしょうか。権力、命令、縦社会などがすきなのでしょうか。
少し考えてみても、警察や自衛隊、軍など、官僚制度が徹底している世界も珍しい。
上からの命令は絶対である。20代の警察署長が年上の署員を使う。かっこいいではありませんか。そういう存在が好きな人は東大法学部から警察庁を目指そう。というのは半分冗談である。難しすぎる。
著者注* 東大が経済界で日本一であるという時代は、すでに過去のものとなった。金融界の護送船団方式の廃止に象徴される金融規制緩和により、財務省・国税庁から、大手銀行の役員への天下りは、根絶されつつあるし、数多くの官僚不祥事で、東大生の官僚志望にもかつてほどの勢いはない。代わって、経済界で大きな力を発揮しているのが、早慶の両校である。事実、一部上場企業の役員数では、前述のとおり、慶応が一位、早稲田が二位、東大が三位である。
次に早稲田大学について引用してみよう(全文引用)。
●早稲田大学●
「概説」総合大学。明治15年、東京専門学校が創立された。早稲田について詳説したら、本一冊でも足りない。その種の本もあるので、詳しく知りたい人はそちらを参照してください。早稲田志望者はそれらを読み、やる気を高めるのもいいでしょう。本書はあくまで他との比較検討のなかで簡単に述べているに過ぎない。
「難易」70 かなり高い。
私は大学生になったころ、自己の経験や中学・高校の先輩、同級生などを考え、つまり、ごく狭い範囲で考え、早慶水準に入るのは、標準の中学で、三番以内くらいと思った。
後に別の面から考えた。私の考えで、医学部などを含め、早慶水準以上の定員は、増減はあるが、最近で約3万5千人。18歳人口は増減があるが、約180万人。とすると、約50数人に一人。中学を一学年200人と考えると、約4番以内。でも優秀な人は私立や国立に多い。よって少。
し修正し、三番以内くらいと考えてみた。偶然、先の数字と一致する。
(著者注)あくまで我々の中学の例だが、中学で一番の学徒は、上智大学に進学した。
二番の生徒が慶応義塾大学、3、4、5番が筑波大学で、6番くらいの生徒が、横浜国立大学に進学した。あくまで、一例に過ぎない。
「実績」かなりあるが、どうも学生は不満が多いようである。大教室の講義が多い。好きな講義が抽選などでとれないことが多い。希望のゼミに入れないことが多い。
あらゆる場所が混む。設備が不十分であるなど。
それも根本的には人数が多いことにあるといえそうである。私は人数が多いことは悪いとは思っていないが、収容力を超える多さなら問題としたい。
もっとも、以上の内容は正しいとは限らない。仮に正しいとしても、早稲田だけではない。また、その種のことは学生満足度には関係あるが、大学の実力には直接の関係はない。早稲田はあくまで一流だ。
「実力」かなり高い。早慶水準。
「学部」私としては、法学部と政経学部が二大看板で、教育は、政経・法・商・文・理工の上位5学部に及ばず、人科は教育に及ばず、という具合である。さらに言えば、上位5学部の差はほとんどないとも考える。商学部よりも、法学部と政治経済学部が優先度は高いという程度である。でも、早稲田をよく知る人はこの考え方に反対するに違いない
彼らに聞くと、次のように答えることが多い。
「早稲田では、政経が最もよいといわれるが、そうかなあ。難易度はともかく
実質はそう思えない。理由はいくつかあるが、ひとつには、政経の教官は教育や研究に情熱や熱意が見られない。むしろ、早稲田らしさがよく残っていることも考え、文学部が一番ではないか」。
「経済界」かなり強いが、早慶水準の中では、一歩下がる。としても、経済界における実力が大学の実力の全てではないし、早稲田にも強い業界や企業はある。それは多くの人が知っている。今後は今よりも強くなる可能性もある。
「おススメ度」全学部★★。
慶応、上智とならんで、たった三つの一流総合私大。多少、効率がよくてもわるくても、ほとんど関係ない。
次に、慶応義塾大学について全文引用する。
●慶応義塾大学●
「概説」総合大学。安政5年、蘭学塾として出発した。今でも福沢の精神を受け継いでいる、などの言い方をする。これに対して、上智、早稲田はどうなのでしょうか? フランシスコ・ザビエル、大隈の精神を受け継いでいるのでしょうか?
「難易」70 かなり高い。経済A、・商Aは数学必修で低く見えることが多い。早稲田大学商学部、慶應義塾大学商学部、上智大学経済学部経済学科、上智大学経済学部経営学科は、ほぼ同じ難易度だと思っていい。
法は英語の配点が高く、国語がないので、高くみえることが多いが、早稲田大学法学部とほぼ同じと考えよう。
同様に、文学部も高く見えていいはずだが、あまりそう見えない。ひとつには、小論文が合否を意外に左右するからであろうか。環境情報、総合政策は負担小で、偏差値が高く見えること
が多い。
「実績」かなりある。そして卒業生の結束が強い。寄付も集まりやすい。
「実力」かなり高い。早慶水準。特殊な業界や変な業界では該当しない。芸能界や予備校業界など。このふたつには、共通点が多い。
「学部」学部差は割と大きい。医学部の次に経済学部がよいことくらい、多くの人が思っている。でも、経済学部を辞退して、文学部や法学部に入る人もいる。むろんその学部志望ならば問題はないが。もっとも、それならなぜ志望学部以外の学部を受けたのかともいえるが。
環境情報と総合政策は、当分の間は既存学部や早稲田上位6学部などに及ばず。将来性は高かったとしても。なにもSFCが失敗とは言っていない。大成功かもしれない。でも、他学部にしても寝て待っていてはくれない。まあ、大学や学部が新たにせっちされたら、一人前になるまでに、30年くらいかかると私は考える。
会社にしても、事業が軌道に乗り、しっかりした会社になるのには、少なからぬ時間がかかることでしょう。
「経済界」かなり強い。法学部と経済学部は、早慶水準の中でも、神戸大の文系とともに、最も強い。
強い分野は一橋と似ているが、慶応のほうが、百貨店・繊維などもっと幅広い。いずれにしろ、慶応は、企業、特に関東の優良企業の幹部養成学校という性格が強い。
この世界での、私立文系の実力は、
六位・・・上智大学経済学部経済学科と上智大学経済学部経営学科
ここまでが、幹部候補生と考えたい。
最後に、上智大学について全文引用する。
●上智大学●
「概説」総合大学。明治44年に上智学院が設立されている。この大学ほど考えが分かれる大学も珍しい。一般的には、早慶に匹敵すると考えられている。逆に、頭の固い人には、いまだに、お坊さん学校と思われていたり、明治学院とどっちがいいかなどと、とんちんかんな質問をしてくる人もいる。今の人なら、横浜国立大や、立教、同志社よりも上智大学を優先するのが当然ではあるが・・・。
おそらく、上智に入った人は、第一志望かなんかで、満足して入ったひとが多いのであろう。そして教育内容のよさもあって、入学後もしばらくはよい大学に入り、よかったと思い続けるであろう。
「難易」69 かなり高い。これだけ高いのだから、セレクトではなく、スーパーでいい。だが、これぐらいの難易度になったのは、いつごろからか・・・。
「実績」まだ少し。今後も急成長は予想されるが、早慶なども、遊んで待っていてくれるわけではない。差の縮小は進むはずだが。
「実力」かなり高い。早慶水準にやや及ばず、北海道大・東京外国語大学を超える。だが、この考えに反対も多いはず。『最近の難易度が高くなったからといって、実力はそんなに高くない』と。特に古い人や、地方の人はそうだ。
「学部」依然として、人文系中心。単純な話、法学部や理工学部があることをしらない人すらいる。または、仮に知っていても、『一応はあるが』くらいに思う人もいる。特に理工学部。理工志望者は、もっともっと上智に注目して欲しい。
「経済界」まだ、少し。それが就職戦線にも表れる。普通、優良企業は、一流大学には、大体の採用定員枠を決めている。それは、何人くらいは欲しいというのと同時に、何人くらいにおさえておきたいということでもある。優良企業にとって、上智は、まだ、『長年、多数の優秀な人材を供給し続けてくれた学校』ではないので、こうした定員はほとんどない。だが、その他多数の中では、最近は最も高い資質を評価されるので、第一志望入社率では、もう、早慶水準とあまり変わりないかもしれない。入ればいいとは限らないのだが。企業からすれば、たとえば、次のようか。『最近の上智出身者は、よくできる。来年以降もぜひ採りたい』。
さて、ここからは、早慶上智の受験生向けに、受験対策を記すことにしよう。
私立文系は、大きく、「早稲田型の英語」、「慶応型の英語」、「上智型の英語」の三つに分けることができる。
順番に説明しよう。
早稲田型の英語の特徴は、比較的クセのないオーソドックスな問題が多いことである。
問題形式もマークシート方式が圧倒的に多い。内容的には長文読解力、文法、熟語、語彙とオールラウンドな力が求められる。
しかし、読解力については、比較的素直な内容の選択形式の問題が多いため、むしろ、文法力や、熟語力、語彙力にウエートを置いた勉強で読解力をカバーしていったほうがいい。また、英作文問題も、完全記述式を出すところが少ないのも特徴である。
荒っぽく言えば、センター試験の英語がその原型にあり、そのスタイルの中で、大学によっては問題文のレベル、設問の質が違っているということです。
この早稲田型に属する大学としては、早稲田大学のほかに、関西学院大学、明治大学、関西大学、法政大学、東洋大学、駒沢大学、京都産業大学、立命館大学、日本大学など、いわゆる偏差値で言えば、上から下までまんべんなく散らばっている。もちろん、各大学によって、問題の難易度には、かなりの差がある。
難易度から言えば、やはり早稲田が頂点で、早稲田を目指した英語の受験計画を立てておけば、早稲田型に属する大学の対策は、ほぼカバーできるといえるだろう。
次に、慶応型の英語について説明しよう。
慶応型の英語の特徴は、英語の配点が比較的高く、かなり細かい読解力を重視していることである。また、英作文が完全記述式のところも多い。読む力、訳や要約、英文を書く力が求められる。リスニングが必出のところもある。
もちろん、語彙、文法が出ないというわけではなく、慶応の経済学部を例にとれば、単独の文法問題が、毎年1、2問出題されている。しかし、文法事項は、それほど神経質に細かいところまでは尋ねてこない。やはり、読解力が大きなウェートを占める。
この慶応型は、どちらかといえば、英語に苦手意識のない人に向いているであろう。
つまり、英語の成否が、合格のカギを握っているところが多いということだ。
たとえば、同じ商学部で、慶応と早稲田の英語の配点をみると、慶応が400点満点中200点に対して、早稲田大学商学部は、200点満点中の80点となっている。
つまり、それだけ、慶応型では、英語の得点力が問われているのである。
慶応型に属する大学は、中堅から、上のレベルの大学が多い。青山学院大学、同志社大学、立教大学、学習院大学、明治学院大学、甲南大学、津田塾大学などが代表的なところだ。併願を考える上でも、このグループ内では相性がいい。
もちろん、細かくみていくと、たとえば、同じ慶応大学でも、学部によって出題傾向が違っていて、文学部は東大や京大などの国立二次型といえるし、記述式英作文のない法学部などは、やや早稲田型に近い。だから、ここでの話は、こうした細かな違いはとりあえずおいておき、大まかな傾向ということで理解していただきたい。
最後に、「上智型の英語」について説明する。
上智型は、ひとことでいえば、かなり英語のセンスが要求され、設問の形式にも独特のクセがあるということだ。ふつうの英語の勉強をしているだけでは、ちょっと厳しい問題が出題される。
たとえば、上智大学経済学部では、単語のつづりの正誤など、かなりつっこんだいわゆる「イヤラシイ」問題が出題されたりする。
だから、上智型に絞って英語の勉強をしていると、早稲田型や慶応型の問題に対応しきれなくなる恐れもある。
上智型の大学は、ICU、東京女子大学、南山大学など、かなりかぎられてくるが、ほかのグループから併願校を探すとしたら、早稲田型よりも慶応型のほうから選んだほうがいいだろう。
ついでに、各予備校で、早慶上智を冠したコースが設置されているので、紹介しよう。
まず、河合塾が、「早慶上智大文系アドバンスコース」という講座を、池袋校、秋葉原校、横浜校に設置している。
また、「早慶上智大文系コース」という講座を、新宿校、池袋校、秋葉原校、立川校、
町田校、横浜校、あざみの校、大宮校、松戸校、津田沼校に設置している。
つづいて、代々木ゼミナールが、「トップレベル早慶上智文系」コースと、「ハイレベル早慶上智文系コース」を設置している。
現在のところ、早慶上智という言葉は、受験産業を中心に使われているだけである。
「早慶」という言葉が、私立の「両雄」の代名詞としてつかわれているほか、野球、ラグビー、その他スポーツ全般で使われ、国民一般に浸透しているのとは、対照的である。
どうすれば、「早慶上智」という言葉が、一般化するであろうか?
上智大学が、スポーツ推薦を一切受け付けていないことは有名である。
そのため、上智大学のスポーツは総じて弱体である。
上智大学と、その姉妹校、名古屋の南山大学との間で、「上南戦(じょうなんせん)」と呼ばれるスポーツイベントがおこなわれているが、そのことを報道するマスコミは皆無である。
東大、早稲田、慶応、明治、立教、法政の「東京六大学」に、上智大学を加えてもらって、「東京七大学」としてもらう案もある。
そうすれば、上智大学は、東京大学のよいライバルになるかもしれない。
しかし、これは、現実的な案ではない。
「東京六大学」という言葉は、あたかも、六つの大学が、「同格」かのような印象を受けるが、東大・早稲田・慶応と、残りの三つとの間には、断崖絶壁が控える。
「東京六大学」というくくりは、あくまでも、「スポーツのみ」でのくくりであって、「頭のよさ」でくくったものではない。
頭のよさでくくった、「真の東京六大学」は、東大、一橋大、東工大、早稲田、慶応、上智である。
かなしいかな、このなかで、とりわけ、一橋大学と、東工大は、一般的知名度が極めて低く、ある高校生に聞いたところ、「立教と一橋って、私立大学ですよね」などと答えられた経験がある。
上智大学卒業生の、主な就職先は、今も昔も、商社・金融・マスコミである。
とりわけ、文学部新聞学科は、定員50名ほどながら、マスコミ就職率40%を超えており、「マスコミに就職するなら、早稲田の政経か上智の新聞学科」といわれているほどである。
「早慶上智」を一般語化するには、やはり、スポーツなどで活躍が期待できない以上、
「ペンの力」を利用するしかあるまい。
実は、本書も、真の目的は、そのことにある。
卒業生として、微力ながら、母校に尽くしたいという思いがある。
そういえば、筆者たちが、上智の学生だったころ、「上智大学通信」という大学新聞で、
上智の教授たちが、駅の看板かなにかに、「早慶上智○○名合格」というものをみて、感動した、という話が載っていた経験がある。
上智大学の教授たちにとっても、「早慶上智」という言葉は、至上の喜びであり、誇りの源泉であり、プライドのよりどころである。
その証拠に、ある月の上智大学通信に、英語の入試問題は、前年度の早稲田・慶応の入試問題に出題された単語のレベルを調べ、それをうわまわる難易度の英文を出題すると書いてあったことがあった。
それだけ、上智の教授陣は、早慶を意識しているということであり、ライバル視しているということでもあろう。
さきほど、「ペンの力」と書いたが、一般書籍や、プレジデント誌、アエラ誌、エコノミスト誌での、「学歴特集」では、確実に「早慶上智」という言葉が使われる頻度が増えている。
そこまでいかなくとも、早稲田、慶応、上智を併記する事例は確実に増えており、「早慶上智の一般語化」は着実に進んでいるといえるだろう。
それときわめて対照的なのが、サンデー毎日「だけ」で使われている「早慶上理」という言葉だ。
インターネットで検索すると、この言葉に対する疑問・疑念・疑惑の書き込みであふれかえっており、とうてい一般化した言葉であるとはいえない。
そもそも、この言葉は、早慶上智の合格者数で、河合塾・代ゼミ・駿台の三大予備校に遠く及ばなかった東進衛星予備校というところが、「数合わせ」で使い始めたのがはじまりである。
そもそも、平均偏差値が60を超える早慶上智と、50台半ばの東京理科大学をくっつけること自体に無理がある。
また、早稲田、慶応、上智が、文学部・法学部・経済学部・商学部・外国語学部・理工学部などを擁した総合大学であるのに対し、経営学部を持つとはいえ、実質的な理系の「単科大学」である東京理科大学をくっつけるのは、まるで、木の棒に鉄の棒をつなげるような違和感を感じざるをえず、一般に定着することは絶対にありえないと断言できる。
そもそもからして、この「早慶上理」ということばは、「ご本尊様」である東進衛星予備校そのものが、使用を中止してしまった経緯があり、この言葉は、「親からすら見捨てられた言葉」であると断言できる。
突然、「早慶と同格」とされた、当の理科大生は、舞い上がってしまった。
「早慶上理の東京理科大学ですよ」などと、便所の落書きである「2ちゃんねる」にスレッドを立て、悦に入っているようだ。
だが、便所の落書きに書き込みを続けたからといって、世間一般の誰が認めてくれるというのか?
彼らが現実を受け止め、レベルの低い理系の「単科大学」であることを自覚し、猛省することを期待したい。
グーグルで検索すると、「早慶」という単語では、247万件ヒットした。一方、「早慶上智」という単語で検索すると、44万8千件ヒットした。
約6倍の数である。
当然のことではあるが、「早慶」のほうが、「早慶上智」よりも、6倍も社会に認知されているということになる。
逆に言えば、「6倍程度の差」であるともいえる。
日本人で、「早大・慶大」を知らない人がほとんどいないのは事実であるが、その6分の1の人は、「早慶上智」という言葉を知っているということになる。
話はかわるが、芸能界やアナウンサーなど、テレビで活躍する卒業生の存在は、上智大学にとって、頼もしい限りであろう。
有名な方だけ抜粋して列挙しよう。
王様
はな
ほんの少数の超有名人だけを抜粋したが、各界で超一流の活躍をみせる卒業生の
姿は、「早慶戦」のテレビ中継にもまったくひけをとらないほど、輝いてみえる。
新聞・出版・テレビ・ラジオを中心として、毎年、少なからぬ数の卒業生を送り込んでいる。
特に文学部新聞学科は、定員50名ながら、マスコミ就職率40%という驚異的な数字を残している。
2009年のデータでは、
文学部新聞学科(定員50)
祥伝社 1人
時事通信社1人
共同通信社1人
日刊工業新聞社 1人
日本経済新聞社 1人
読売新聞東京本社 2人
ベネッセコーポレーション 1人
双葉社 1人
東京スポーツ新聞社 1人
中日新聞社 1人
山梨日日新聞社 1人
北国新聞社 1人
扶桑社 1人
日本放送協会 1人
アサツー・ディー・ケイ 1人
毎日コミュニケーションズ 1人
と、新聞、出版、テレビ、ラジオに満遍なく人材を供給している。
文学部新聞学科の学生は、最初からマスコミ志望で、受験期にもそれなり以上にがんばってきたので、基礎力があるということがあげられる。
ただ、「新聞(=マスメディア)」について学んでいくうちに、自分には適性がない、ということに気づく学生もおり、途中で針路変更をする学生もいる。
入社試験時には、東大や、京大、早稲田、慶応の学生と競うことになるため、上智だからといって特別に優位な立場に立てるわけではない、という点も指摘しておこう。
文学部新聞学科以外にも、法学部法律学科や、外国語学部英語学科などからも、複数名マスコミに就職しており、一学年2500人の小さな大学にして、毎年実に100名近いマスコミ人を輩出していることになる。
「ペンは剣より強し」といわれる。
上智大学が、今日の地位を築いた背景には、強力なマスコミの応援があったことは否定できない【昔は立教より下であった】
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