「理科の窓」なんて言葉も!? 「社会の窓」の由来
男性のズボンのファスナーのことを指す「社会の窓」。この言葉は、昭和23年から放送されていたNHKのラジオ番組『インフォメーションアワー・社会の窓』に由来しているそうです。この番組は、社会のさまざまな問題の裏側を探るという内容で、「普段見られない部分が見える」といった意味合いから、ズボンのファスナーが開いていることを「社会の窓」と言うようになったとのこと。
ちなみに「社会の窓」、対象は男性だけで、反対に女性の場合は「社会」の科目名に引っ掛けて「理科の窓」などと言われることがありました。でも、こちらはほとんど普及しないまま消えてしまったようです。
仲良いね、ヒューヒュー! 「アベック」の由来
年配の人がたまに使うだけになってしまった「アベック」。主に恋人同士のことを指すこの言葉ですが、最近は「カップル」が使われていますね。実はこの「アベック」という言葉はフランス語の「avec(アベック)」からきたもの。「〜とともに」という意味で、英語で言うところの「with」の同意語だそうです。
つまり、アベック自体には本来「仲が良い」「恋人」「夫婦」などという意味はなく、「〜とともに」という意味が脚色されて、「仲の良い男女」「恋人」という意味でも使われるようになったということです。
ぶりっ子に取って代わられた「かまとと」の由来
女性に対して「なにさ、かまととぶっちゃって!」なんて言うことがありますが、「かまとと」とは、知っているのに知らないふりをすること。主に、女性が世間知らずっぽく振る舞うことを意味します。この「かまとと」は「かま(かまぼこ)は、おとと(魚の幼稚言葉)から作るの?」からきているそう。かまぼこが魚のすり身から作られるのは常識ですが、それを知らないふりをするように、とぼけてかわいこぶるというたとえが元になっていたんですね。
ちなみにこの「かまとと」は江戸時代頃から使われていた言葉で、振る舞い慣れた遊郭の女性たちがかわいい態度を取るときに使われたものだそう。今では「ぶりっ子」という言葉が主に使われていますね。
懐かしい思い出がよみがえる、「半ドン」の由来
週休2日制が主流となっている若い世代には想像がつかないかもしれませんが、1980年代頃までは土曜日は休日ではなく、午前中だけ、つまり半日は授業や仕事が行われていました。そして、その日を称する言葉として普及していたのが「半ドン」。もはや死語となってしまったこの言葉ですが、語源は何なのでしょうか。
こちら、もともとはオランダ語で「日曜日」を意味する「zondag(発音記号:zɔndɑx/ゾンターク・ゾンダッハなどと読む)」がなまって「ドンタク」となり、その半分という意味で「半ドン」となったというのがひとつの説。
また、正午に鳴らした大砲のドーンという音から来ている説もあります。「今日は半ドンだから…」なんて会話も今ではまったく聞かれなくなりましたが、「半ドン」経験者にとっては昔を思い出す、ちょっと懐かしい言葉なのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか? 最近めっきり聞かなくなった言葉たちにも、ちゃんとした起源や由来があったんですね。近年流行した「エモい」(「エモい」という言葉の由来は諸説ありますが、「感情的な」という意味の英語「emotional」(エモーショナル)からきているという説もあり、現在、若者の間では「感情的」「哀愁漂う」「趣がある」「グッとくる」などの意味で広く使われています。また、「なんとも形容しがたい」という意味の日本語「えもいわれぬ」の字面から派生しているという説もあります。
音楽業界では1980年代からすでに「エモい」という表現が使われており、2006年ごろから若者の間で使われ始めていました。その後三省堂が開催する「今年の新語2016」に選ばれたことで、さらに「エモい」は広まりました。
2016年以降若者の間で「エモい」が使われるようになった要因には、ストレートに感情を表現できず、モヤモヤする若者が増えたことが背景にあると考えられています。)
や「黙食」(禅宗、特に曹洞宗の修行道場では、坐禅堂・風呂・トイレで余計な言葉を発してはいけないという規律があり、それが坐禅堂で行う食事にも当てはまるため、必然的に黙って食事=黙食となっているのです。)
なども、数十年先には「その変な言葉、何からきてるの?」なんて言われてしまうのでしょうか?